2020年の栽培をふりかえって~②ナス
■ナス
ナスは煮る・焼く・揚げる・漬けると幅広い用途に使えて、夏の顔のような野菜だ。それだけでなく、黒くつやがあり、形のよいナスは美しい。今年は「早生真黒ナス」と言うこれも埼玉県の在来品種を栽培した。皮がやわらかくおいしいとされ、輸送に不向き。「千両二号」をはじめとする多くの「一代交配種(F1)の片親」となっているらしい。
来年もこの真黒ナスで行きたいが、ナスを5月初めの標準的な定植時期に植えたいとなると、寒い3月から種まき・苗づくりをする必要がある。3月からとなると無加温ではむつかしいのだが、偶然にごく最近の雑誌「野菜だより」(2021年1月号)で「簡易型の踏み込み温床」として堆肥専門家の橋本力男さんが紹介しており、2021年はその方法で試してみようと考えている。
また2020年は仕立て方として、アーチを使って、そこに鳥よけのキラキラテープに枝をからませて支柱がわりとした。キラキラテープはアブラムシなどの虫除け効果もある。やってみてまずまずかなと。なんといってもこのキラキラテープ方式は作業が楽なのである。
2020年の栽培をふりかえって~①きゅうり
日進野菜塾では、農業体験農園とは別に、4か所の畑で有機野菜を栽培し、地元のお客さんに販売している。ここではその生産販売取り組みを紹介した。
■キュウリ
今年はきゅうりを時期をずらして 5月、8月、9月と4回ほど植えた。1回だけの栽培だと、すぐに終わってしまう。ナスやオクラ、ピーマンは夏場ずっととれるが、キュウリは正味1か月ほどで終わっている。できれば夏場ずっと取りたい。
実施したことは簡単。植える回数を増やせばいい。そのため「市販の苗」と「タネの直播き」を併用した。キュウリの苗は、農協直売所などへ行くと、長期にわたって売られている。1鉢80円前後で、それを利用すればいい。あるいはタネで直接まいてもよい。苗にくらべ時間はかかるが、安くなる。
栽培方法の仕立て方では、ふつう支柱を立てネットを張り、つるをはわせる方式だったが、何回も植えるとなるとたいへんで、そこまで手間をかけられない。そのため2回目からは地面をはわせた。
黒マルチを張り植えた。苗が育ってきたら、稲わらを敷いて、地温があまり上がらないよう、根焼け防止をする。こうすれば植える手間は楽だ。
9月や10月にとれるキュウリはみずみずしくて元気だ。キュウリは高温の真夏よりも、涼しくなった秋口が適しているように感じる。味もよい。ただキュウリが「寝る」ことになり、日があたらない面は色が薄く変色気味になることがある。(味は変わらない気がするけど。)また、実が葉に隠れて見逃すこともある(おばけキュウリができてしまう)のが要注意。
ともあれ、秋口はつくっている露地生産者も減るようだ。直売所では生産者の出品も少なくなる。
お客さんに喜ばれ、値段も安売りする必要もないくらいだ。
田植え、始まりました。
6月6日(土)、7日(木)と2日つづけて田植えを実施しました。当日とその後の様子について報告します。
■苗とり
「あいちのかおり」の苗はJAの箱苗を購入しています。5/16に田んぼに入れていますが、箱から出して田んぼの底の地面に約2週間つけてきました。
そのため、苗は15㎝近くに大きくなっています。これを田んぼから取り出しますが、地面に根がついてけっこう力仕事。
取り出した苗は、これから植える場所めがけて分散させて投げ入れます。(これが最初の儀式みたいなもの)
■田植え当日
横一列にならんでロープにそって掛け声を合図に、いっせいに植えていきます。(後に下がっていくのです。)
ロープには24㎝ごとに赤いリボンが目印についており、最初は目印に合わせ、その後は自分が植えた苗にまっすぐになるよう植えていきます。(ロープの目印は途中で動いてしまうため)
この作業は始まったら、途中でやめられません。休憩したい人は手をあげて、メンバー交代。作業は最後までつづきます。
■田植え後
田植えがすんで3~4日経過したころから、青浮草(あおうきくさ)が発生。じょじょに田んぼ全体にひろがってきました。
写真は6/13のもの。田んぼの半分くらいに広がっています。この浮草は除草剤を使う田んぼでは発生しません。
日差しを抑制するため、コナギなどの生育をおさえるとされます。また窒素分を含むため、肥料効果もあるとされます。
他方でやがて赤く変色していきますし、田んぼ全体をおおうと水温の低下、勢いがありすぎてイネを倒伏させるなどの欠点も指摘されています。
私たちの栽培には過去も何度か経験しており、とくに問題感じていません。
(有機稲作の専門家で理論的な支柱と言われるNPO法人民間稲作研究所の稲葉さんも同様の指摘)
また雑草のコナギも顔を出しています。これは代かきなどで取り切れなかったのが顔を出しているのです。
■生きもの
田んぼのあぜからアミで生きものがいるかすくってみました。おたまじゃくしが、3回アミですくって1回は入る。けっこういます。かなりの量のおたまじゃくしがいます。大きさも大小、足もでているのがいます。。またガムシもいます。鳥はいつも来ています。
写真はアオサギとみられます。(サギの中では大きいタイプ。)おたまじゃくしを盛んについばんでいるようです。
前回アミを入れたら、ゲンゴロウが入りました。
2020年、今年の田植え、除草はこうして!
いよいよ田植えのシーズン到来です。
日進野菜塾では6/6、6/7と両日にかけて「手植え」を実施します。
(6/7はなごや環境大学の第1回目となります。)
毎年「無農薬」で栽培をつづけ、コナギを中心にした「雑草」に手こずってきました。
今年はいろいろ工夫を入れて、本格的(?)に抑草対策を実施しています。
以下、紹介します。
1)3月から早期湛水
3月から水入れしています。田んぼが乾かないように水位を維持。
今年はJAの「あぜ塗り機」で「あぜ補強」しており、水もれの心配は(今のところ)ありません。いれっぱなし。
2)発酵肥料(ぼかし)の投入
水入れ前に田んぼの中で「発酵肥料(ぼかし)」を大量につくっていました。今年の肥料はこれを元肥にしている。
そのせいか4月からミジンコ等たくさん見らました。また小さな水生昆虫、カエルの声も早くから見られました。
3)5回の代かき
今年は代かきの回数を増やしています。抑草と田んぼの凹凸の修正をねらったものです。
トラクターを浅く、高速回転で実施。5月中旬に実施したときには、4~5センチ以下の小さなコナギがいっぱい浮かんだ。
水深を深くしてできるだけ「死滅」枯れさせようとしたが、なかなか枯れず。手で除去している。
4)田こすり器
田んぼの初期除草に有効な道具で長年使用している。古くなっていたので、新たな竹で補強、整備している。20本ほど用意している。
5)米ぬか散布、継続して
田植え後に、米ぬかを水で溶いてダンゴ状にして、まく予定。
数量は多くなく、反あたり2俵くらい。2週間単位でしばらくつづけたい。
6)株間せばめる、条間は維持
株間は24センチに、条間はこれまでどおり30センチ。これで株間に生える草をおさえる。また収量増もねらう。
7)苗を箱から出して、地につけてる(苗を育てる)
苗はすでに田んぼに入れている。(5/17)
箱からだして田んぼの底に根をつけています。「苗代」の要素を取り入れ、茎をのばし、植えつけ本数を2~3本と少な目にしたい。(成苗とまではいかないが稚苗ではない)
ただいま準備中~4月4日(土)にたい肥、元肥入れ
「あせだくコース」、ただいま開始前の準備作業に入っています。
4月4日は、春夏の栽培に向けて、最初の作業。自家製たい肥、牛糞たい肥、もみがらくん炭、米ぬか、鶏ふん、油かすをまいている風景です。
一部、利用者の中で希望者も参加して、マスクしながらいっしょに作業していただきました。